都市に人口集中するのはなぜか?

 最近、都市に人口が集中していることがいわれている。都市に人口が集中することのメリットとデメリットはあると思うが、なぜ都市に人口が集中するのかは気になるところである。そこで、この記事では、この問について考察していく。

本当に都市に人口が集中しているの?

 そもそも都市に人口が集中しているのは本当だろうか?都市に人口が集中する理由を考える前に、都市に人口が集中していることを確認する必要があるだろう。そのために、平成17年から22年にかけて人口が上昇した都道府県を以下にあげる(総務省統計局より)。

  1. 埼玉:+2%
  2. 千葉:+2.6%
  3. 東京:+4.6%
  4. 神奈川:+2.9%
  5. 愛知:+2.2%
  6. 滋賀:+2.2%
  7. 大阪:+0.5%
  8. 福岡:+0.4%
  9. 沖縄:+2.3%

東京、愛知、大阪、福岡と人口が増加するのはどれも大都市である。このことから、人口が大都市に集中する傾向は確かであるといっていいだろう。

日本の産業構造の変化からの推測

 ではなぜ大都市に人口が集中しているのだろうか?「大都市は便利だから」とかいろいろな理由があるだろうが、多くの人が住む場所を選ぶ一番の基準は「仕事」である。自分が勤める勤務先の近くに住むのが普通だろう。東京と沖縄を毎日往復する強者はほとんどいないだろう。

 となると、「日本の産業構造が地方から大都市に有利なものへ移行している」という仮説が思いつく。よって、日本の産業構造の変化について調べることにする。(http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/13/dl/13-1-4_02.pdfより)

産業構造

図を見てわかるように、日本の産業構造は「農業・鉱業・建設」から「サービス業」へ推移している。農業は地方でやる仕事である。一方、サービス業は都市で行われる。以下、主なサービス業である。どれも都市で行われそうなものだとわかるだろう。

  1. 医療・福祉
  2. 教育
  3. 娯楽
  4. 学術研究
  5. 宿泊・飲食
  6. 小売業
  7. 金融
  8. 運送
  9. 情報通信

このことから、農業からサービス業への移行により、仕事が都市に集中し、結果として都市に人口が集中しているといえる。

サービス業の中で伸びている分野

 サービス業といっても教育、研究、金融など様々である。これら様々なサービス業の中で伸びている業界は何なのかが気になるところである。そこで、データから伸びている業界をみてみると以下の2つが候補にあげられる。

  1. 医療・福祉
  2. 分類できないもの

前者は概ね予想できると思う。高齢化のために、医療・介護への労働需要が高まっているのだ。後者に関しては、インターネット・スマートフォンなどのテクノロジーにより従来にはない新しいサービスができていることを意味しているのだろう。

 日本の人口構造から医療・福祉の分野は今後も伸びると思われる。効率よく介護サービスを行うには、規模の経済で都市部に集中するのが好ましい。そのため、今後も一層都市への集中が増えることが予測される。

まとめ

 以上のことから「なぜ都市に人口が集中していうか」の答えの一つとしては

「地方で農業をしていた人が減り、大都市でサービス業を営む人が増えたから」

だろう。世界的に都市への人口集中が起こっているらしい。おそらく世界においても農業をする人が減って、サービス業を営む人が増えているのだろう。農業従事者を減らしたのは、機械による効率化が主因だろう。科学技術は世界を変える例の一つだといえよう。

著者:安井 真人(やすい まさと)